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2026.3.14|当会主催の講演会を開催しました

  • 3月15日
  • 読了時間: 5分

2026年3月14日(土)、行政書士で社会活動家の悉知信さんを講師にお迎えし、「いじめにおける学校対応の課題 ― 子どもを守るために、大人が考えるべきこと ―」をテーマとした講演会が開催されました。


講演では、悉知先生ご自身が小学生時代にいじめを受け、暴力による骨折という被害を経験したにもかかわらず、学校から「証拠がない」として十分な対応がなされなかった実体験や、その後中学時代に不登校となった経験などが語られました。その経験を原点として、現在はいじめ問題の改善に向け、当事者支援、政策提言、社会への発信という三つの柱で活動されていることが紹介されました。


また、いじめ問題を取り巻く現状として、全国の小中学生の不登校児童生徒が約35万人に達し、過去最多を更新し続けている状況や、その背景にはいじめや人間関係の問題が大きく関係していることが示されました。さらに問題なのは、いじめそのものだけではなく、その後の学校対応が十分でないことにより、被害者や保護者がさらに苦しむケースが少なくないという点でした。


講演では、なぜ学校対応がうまく機能しないのかという構造的な問題についても詳しく説明がありました。

例えば、いじめの調査主体と対応主体が学校自身であるため組織防衛が働きやすいこと、教育委員会が制度上は学校を監督する立場でありながら、実務上は人事や人間関係の近さから強い指導が行いにくい場合があること、教育界が比較的閉鎖的なコミュニティであることなど、制度と組織の構造が問題解決を難しくしている現実について指摘がありました。


そのような状況の中で、保護者や当事者が取るべき対応の一つとして強調されていたのが、「客観的な記録を残すこと」の重要性です。

いつ、どこで、誰が、何をしたのか、学校がどのような対応を取ったのかといった事実を記録として残すことで、後の調査や相談の際に大きな意味を持つことが説明されました。感情だけではなく、事実と証拠に基づいて問題を整理していくことが重要であるという点は、多くの参加者にとって大きな学びであったと思います。


さらに、行政文書開示請求制度についても具体的な解説がありました。

学校や教育委員会が作成した相談記録、調査資料、報告書、内部のやり取りなどは行政文書として保存されており、情報公開請求によって確認できる場合があります。これにより、口頭説明ではなく記録に基づいて、誰がいつ何を把握していたのかを客観的に検証することが可能になります。また、行政書士や弁護士などの専門家が関わることで文書の特定がより具体的になり、実態に近い資料を取得できる可能性が高まることも紹介されました。


もっとも、現行制度には限界もあり、個人情報保護などの理由から文書が黒塗りで開示されるケースも多く、調査過程の実態が見えにくいという課題も指摘されました。こうした状況を踏まえ、制度の運用改善や透明性の向上が今後の重要な課題であるとのお話もありました。


講演の最後には、いじめ問題は決して個人だけの問題ではなく、学校だけの問題でもなく、社会全体で向き合うべき課題であるというメッセージが強く伝えられました。個人の経験や苦しみは社会構造と無関係ではなく、一人ひとりが関心を持ち、声を上げることが社会や制度を変えていく力になるという言葉は、非常に印象深いものでした。


今回の講演は、いじめ問題を感情論ではなく制度や社会の構造から捉え直す、大変示唆に富む内容でした。子どもたちの学びの権利と安心できる環境を守るために、社会全体で何ができるのかを改めて考える貴重な機会となりました。


左:中村匡志 元白岡市議 右:講師 悉知信さん
左:中村匡志 元白岡市議 右:講師 悉知信さん

当日は、多くの方にご参加いただきました。

いじめ問題に継続して取り組まれている中村匡志

元市議、そして以前に当会と面談してくださりご理解をいただいている野本怜子県議にもご参加いただきました。参加者の皆さまも最後まで講演をお聞きいただきまして、誠にありがとうございました。


そして何より、この開催に向けて協力をしてくださった会メンバーの皆様、そしてご自身の経験と活動をもとに貴重なお話をしてくださった講師の悉知先生に、心より深く感謝申し上げます。



参加者 16歳 高校生より感想をいただきました

今回の講演会では、いじめが起こったときに大人ができることや、いじめが起きた後になぜ行政の対応がうまくいかないことがあるのかについて学びました。


講演の中で特に印象に残ったのは、いじめられたときにでも問題に立ち向かうための方法がたくさんあるというお話です。今までは、いじめられても我慢するしかなんじゃないのかと思うことがありました。しかし実際には、相談できる場所や頼れる制度があることを知りました。


また、そのような制度をきちんと知り、必要なときに利用することが大切だということを学びました。困ったときに一人で抱え込まず、周りの力を借りることが大事だと思いました。


講師の方は行政書士として、法律の知識を生かして多くの人を助けていると知り、とてもすごいと思いました。いじめという難しい問題に向き合い、人の役に立つ仕事をしている姿をとても尊敬します。


今回の講演会を通して、いじめについて改めて考えることができました。私も将来、困っている人やいじめられている子のために、何か力になれるようなことをしていきたいです。


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